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E A P

 「EAP」はEmployee Assistance Programの略です。日本語では「従業員援助プログラム」と呼ばれていますが、アメリカで始まった新しいシステムです。日本に紹介されて時間がたっていないため、いまだ聞き慣れない名称でしょう。これは、企業で働く従業員やその家族のメンタルヘルス(心身の健康)を守るための支援システムです。
 めまぐるしく変化する、ストレスの多い現代社会では、「心と体のアンバランス」は、誰にでも容易に引き起こされます。職場では、上司や部下との関係が煩雑となり、様々なOA機器に取り巻かれ、業績ノルマに追い立てられる始末です。また、家庭でも、夫婦関係が鬱陶しく、親子関係まで稀薄になり、気の休まる居場所が見つからないという話は頻繁に耳にするようになりました。
 このような都会企業で生き抜く現代ビジネスマンは、誰しも、精神的には「準健康人」に過ぎません。そこで、不眠、不安といった一般症状は勿論、うつ状態、出社拒否、拒食症、過食症、パニック障害、インターネット依存症、過換気症候群、不定愁訴症候群(自律神経失調症)など、様々な精神症状をひた隠しに隠して、働き続けなければいけないのでしょうか。  無理を通して働き続ければ、いずれ「破綻」をきたします。従業員の「不健康」は雇用会社の「不健康」につながっていきます。膨張する医療費、経済効率の悪い雇用制度、無駄な補償や厚生費用など、今、考えなければならない時代です。
 今後、このような、心の健康の専門家が、今以上に必要となってくる事は明白です。しかし、今までの精神病院や精神科診療所と言えば、地域の精神衛生医療に貢献すべく、住宅地や郊外に位置していました。そこでは、主に精神分裂病などの、精神病患者さんを対象とした、薬物療法が治療の中心でした。いくら、精神科受診の敷居が低くなったとはいえ、このような医療機関を受診することには、まだまだ、強い抵抗感が残存しています。受診の機会が遅れれば、「症状」は悪くなるでしょう。心の病気の、体の病気と同様、早期発見早期治療は、基本です。ましてや、その「予防」はこれからの医学です。EAPはそういった従業員やその家族の「心の健康」に関する諸問題を、企業と連携しながら、早期に発見し、早期に治療につなげていこうとするシステムです。
 私たちのEAP部門は、日本で数少ない本格的にビジネスマンのメンタルヘルスに取り組んで行こうとする部門なのです。担当するスタッフは、精神科医(精神保健指定医)、看護婦、臨床心理士、ソーシャルワーカー、芳香療法士(アロマテラピスト)です。長年の臨床経験を生かし、さらに専門的な療法の立場から、様々なサービスを提供していきます。

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